国(政府)はデメリットばかり強調するが・・・果たしてどうなのか?
年金の繰上げ受給における 『 メリット 』
1. 早期に年金を受け取れる
• 通常65歳から受給できる年金を、最短で60歳から前倒しして受給できるため、定年退職後の収入源を確保できます。
• 無収入の期間や生活費に不安がある場合、繰上げ受給で家計を安定させる効果が期待できます。
2. 総受給額の早期回収
• 繰上げ受給を選択すると、早い段階で年金を受け取れるため、短期的な収入確保が可能です。
• 例えば、平均寿命よりも早く亡くなる可能性があると考える場合は、繰上げを選ぶことで、受給期間を増やし総額を回収できる利点があります。
3. 生活設計の柔軟性が増す
• 年金を早く受け取れることで、貯蓄を取り崩すペースを抑えられるため、他の資産運用や出費計画に余裕が生まれる可能性があります。
• 一時的に収入が少ない状況で、年金を早めに受け取ることで生活費を補填する選択肢が得られます。
4. 働く期間を短縮できる
• 年金を早く受け取ることで、退職後すぐにリタイア生活を始めることが可能になります。
• 高齢になっても働き続ける必要がなくなり、身体的負担を軽減できる場合があります。
5. 遺族年金との組み合わせが可能
• 繰上げ受給中に本人が亡くなった場合でも、配偶者が遺族年金を受け取れるため、家族の生活を支えることができます。
• ただし、遺族年金の金額に影響が出る場合もあるので注意が必要です。
6. 国民健康保険料や住民税が軽減される場合がある
• 繰上げ受給で年金額が減額されることにより、課税所得が減少し、結果的に住民税や国民健康保険料が下がる場合があります。(住民税非課税世帯の対象になる場合も)
• 年金以外の収入が少ない人にとっては、税金や保険料の負担を軽減する効果が期待できます。
7. 緊急時の生活資金として活用
• 急な医療費や介護費用など、突発的な出費が必要になった場合、繰上げ受給によって早期に年金を受け取れるのは大きなメリットです。
• 貯蓄が十分でない場合や他の収入源がない場合、繰上げ受給が重要な選択肢となります。
8. 心理的安心感が得られる
• 年金を早く受け取れることで、「一定の収入がある」という心理的な安心感を得られます。
• 無収入期間が長引くと不安に感じる場合、繰上げ受給で気持ちに余裕が生まれることがあります。
9. 長寿リスクを考慮しない場合の利点
• 自分の寿命を短く予測している場合や、高齢になる前に生活資金を使いたいというライフスタイルを選ぶ場合には、繰上げ受給が適しています。
• 例:早期リタイア後に旅行や趣味にお金を使いたい場合。
繰上げ受給のシミュレーション
• 例えば、60歳で繰上げ受給を開始した場合、65歳以降は年金額が24%減額されますが、受給開始からの5年間で一定額の年金を受け取ることができます。 (月0.4%減額)
• この金額が貯蓄や他の収入と組み合わせて効果的に活用できると、生活の質を高めることが可能です。
まとめ
繰上げ受給のメリットは、「早く資金を受け取れることで生活の自由度が増す」「心理的安心感が得られる」など、特に短期的な利点が多い点です。しかし、長期的な視点でデメリット(減額や障害年金の影響など)も十分考慮する必要があります。
個々の収入状況、健康状態、生活設計に合わせて慎重に判断することをおすすめします。
年金の繰上げ受給における 『 デメリット 』
1. 年金額が減額される
減額率
• 繰上げ受給をすると、1か月ごとに年金額が0.4%減額されます。
• 例えば、60歳で受給を開始する場合(5年前倒し)、**最大24%(0.4% × 60か月)**が永久に減額されます。
減額の仕組み
• 減額率は生涯にわたって適用されるため、65歳以降も年金額が少ない状態が続きます。
• 仮に繰上げた年齢が早すぎると、長生きした場合に総受給額が少なくなる可能性があります。
2. 障害基礎年金が受給できなくなる
• 繰上げ受給を選択すると、障害基礎年金の受給資格を失います。
• 繰上げを開始した時点で、「老齢基礎年金を選択した」とみなされるためです。
• その後、障害認定基準に該当する障害が発生しても、障害基礎年金を請求することはできません。
• 一方で、障害厚生年金は影響を受けません。
3. 税金や社会保険料への影響
• 年金を繰上げ受給しても減額された金額が支給されるため、手取りが少なくなります。
• 年金受給額が少ない場合、住民税や国民健康保険料が減る可能性がありますが、場合によっては節税効果が薄くなることがあります。
4. 配偶者の加給年金が支給されなくなる
• 厚生年金における加給年金(配偶者への年金加算)は、65歳になるまで支給されません。
• 繰上げ受給を選択すると、配偶者加給年金が受給できない期間が延びるため、トータルの受給額が少なくなります。
5. 働く場合の調整が必要
• 繰上げ受給後に働き始めると、年金の一部または全額が停止される可能性があります(在職老齢年金制度)。
• 特に収入が一定額を超えると、減額された年金がさらに停止されるリスクがあります。
6. 長生きリスクの考慮が必要
• 繰上げ受給は「早く年金を受け取れる」メリットがある一方で、長生きするほど受け取る総額が減少します。
• 一般的に、77歳~80歳を超えると繰上げ受給を選択した場合の総受給額が、繰上げなかった場合を下回る傾向があります。
7. 繰上げ受給後の変更ができない
• 繰上げ受給を開始すると、その後の取り消しや変更は一切できません。
• 健康状態や収入状況が変わった場合でも、通常の年金額に戻すことはできません。
8. 遺族年金との調整
• 繰上げ受給をした場合、受給者が亡くなり遺族年金を受け取る遺族にとっても不利になる場合があります。
• 遺族年金の金額は、基礎年金や厚生年金の受給額を基準に計算されるため、繰上げによる減額が影響します。
9. 家計への影響
• 減額された年金で生活を賄う必要があるため、老後の生活資金が不足するリスクがあります。
• 繰上げ受給を選択する際は、将来的な生活費や医療費を見積もり、収支をしっかり計算する必要があります。
判断のポイント
• 健康状態:繰上げ受給を選択しても、生涯にわたって年金が減額されるため、長生きする場合は損になる可能性があります。
• 家計状況:貯蓄や他の収入源が十分であれば、繰上げをせずに通常の受給を選択した方が有利です。
• 障害年金リスク:健康状態に不安がある場合、障害基礎年金を受け取れる可能性を考慮する必要があります。
まとめ
繰上げ受給は、早期に年金を受け取ることで当面の生活費を補う選択肢となりますが、減額率の影響や障害基礎年金の受給資格喪失などのデメリットがあります。自身の健康状態や将来の生活設計を考慮し、慎重に判断することが大切です。
年金繰上げ受給による注意点
【例えば、65歳から受給から62歳で繰上げるとだった場合】
1. 減額率の影響
• 年金を繰上げ受給すると、1か月ごとに0.4%減額されます。
• 例えば、65歳から受給予定だった場合、62歳で繰上げると36か月早く受給するため、14.4%(0.4% × 36か月)減額となります。
• 減額は一生涯続きます。
• 2022年4月の制度改正により、繰上げの減額率が緩和されましたが、依然として大きな影響があります。
2. 他の年金への影響
• 繰上げ受給をすると、障害基礎年金を受け取る権利が消失します。
• 将来的に障害状態になった場合でも、障害年金を受け取ることはできません。
3. 税金や社会保険料の影響
• 年金額の減少により、所得控除や課税基準に影響を与える可能性があります。
• 課税所得:年金が減額されることで所得税や住民税が少なくなることがあります。
• 国民健康保険料:国保料は年金収入に応じて算定されるため、減額された年金収入により保険料が軽減される場合があります。ただし、国保料の地域差や計算方法を確認する必要があります。
• 介護保険料:65歳未満では影響がありませんが、65歳以降は市区町村による所得段階に応じた保険料が設定されるため、年金収入が減ると介護保険料が軽減される可能性があります。
4. 繰上げ期間中の生活資金
• 繰上げ受給を選択する場合、他の収入や資産で生活を支える計画が重要です。
• 繰上げ受給後の年金が減額されるため、長生きした場合に資金が不足するリスクがあります。
• 例えば、寿命が80歳を超える場合、繰上げ受給による減額分が累積して、トータルで損をする可能性があります。
5. 繰上げを選ぶべきかの判断基準
繰上げを検討する理由が明確であれば選択肢となる
• 例えば以下の場合:
• 62歳時点で十分な貯蓄がなく、早急に収入が必要。
• 長期的な収入よりも短期的な生活資金を重視したい。
• 健康状態が悪く、平均寿命より短命であると見込まれる場合。
まとめ
• 繰上げ受給は一時的な資金不足を補う手段ですが、将来的な減額や他の年金への影響を慎重に検討する必要があります。
• 年金以外の資産や収入源(貯蓄、退職金、投資など)も含めて、長期的な資金計画を立てることが重要です。
• 国保や介護保険料については、地域や個人の所得状況によって異なるため、具体的な計算を市区町村窓口や専門家に相談することをお勧めします。
下記の条件で試算(シュミレーション)
住民税非課税世帯になる条件を基に、夫婦お二人のシュミレーションを行います。以下は、北海道の田舎(級地3級地)を想定し、公的年金控除や基礎控除を考慮した詳細な計算です。
1. 住民税非課税世帯の条件
• 世帯全員が住民税非課税になる条件:
1. 所得割非課税:合計所得金額が**28万円以下(道民税)**または35万円以下(市町村税)。
2. 均等割非課税:総所得金額等が以下の基準以下であること。
• 【単身世帯】28万円 + 10万円(年金収入等がある場合はさらに15万円加算)
→ 年金収入:211万円以下(65歳未満の場合は168万円以下)
• 【夫婦世帯】28万円 + 10万円 × 世帯人数(配偶者含む)
→ 年金収入:211万円 + 配偶者加算分
2. 公的年金控除・基礎控除
(1)公的年金等控除額
• 65歳未満の場合、公的年金控除額は以下の通り:
• 年金収入 65万円以下:全額控除(所得金額0円)。
• 年金収入 65万円超~130万円以下:収入-60万円。
• 年金収入 130万円超~410万円以下:収入-70万円。
(2)基礎控除額
• 2020年の改正後、基礎控除額は以下の通り:
• 合計所得金額が2,400万円以下の場合:48万円
3. シュミレーションの条件
• 現状:夫61歳・妻60歳、無収入で年金の繰上げ受給予定
• 65歳時の年金収入(予定):夫160万円、妻160万円
• 繰上げ受給を行う場合、年金が約14.4%減額されるため、以下を計算に使用:
• 夫:160万円 × (1 – 0.144) ≈ 137万円
• 妻:160万円 × (1 – 0.144) ≈ 137万円
4. シミュレーション結果
(1)所得の計算
• 公的年金等控除と基礎控除を適用した所得金額:
• 夫の年金所得:
• 収入 137万円-70万円(公的年金控除)=67万円
• 67万円-48万円(基礎控除)=19万円
• 妻の年金所得:
• 収入 137万円-70万円(公的年金控除)=67万円
• 67万円-48万円(基礎控除)=19万円
(2)住民税非課税判定
• 夫婦それぞれの所得:19万円
• 世帯の合計所得:19万円 × 2人 = 38万円
非課税基準に当てはめると以下の通りです:
• 夫婦世帯の場合の住民税均等割非課税基準:
• 28万円 + 10万円 × 2人(世帯人数)=48万円
• 38万円(世帯合計所得) < 48万円(基準)
5. 注意点と結論
注意点
• 繰上げ受給後、実際の年金額が予定通り支給されるか確認すること。
• 各市町村での制度差や住民税計算の詳細な条件は異なるため、住民税非課税判定を受ける際には市町村窓口で確認することをお勧めします。
結論
• お二人とも年金を繰上げ受給しても、所得金額が非課税基準以下となるため、住民税非課税世帯の条件を満たします。
• 住民税非課税世帯となることで、国民健康保険料や介護保険料の軽減措置も受けられる可能性が高いです。
株主配当収入などがある場合の注意点(住民税非課税世帯の条件に関して)
1. 株式配当の課税と住民税の扱い
• **特定口座(源泉徴収あり)**の場合:
• 株式配当は**所得税15.315%および住民税5%**が源泉徴収されるため、原則として確定申告が不要です。
• 確定申告をしなければ、配当所得は住民税の課税所得に含まれません。
• 配当所得を総合課税で申告した場合:
• 配当収入が住民税の課税所得に含まれるため、住民税非課税世帯の判定に影響を与えます。
• 配当控除(10%~20%)を受けられる場合もありますが、非課税判定には配当所得が加算されます。
2. 住民税非課税基準と配当所得の関係
• 住民税の課税所得に含めない場合(申告しないケース):
• 配当所得は非課税世帯の判定に影響しません。
• 住民税の課税所得に含める場合(総合課税を選択したケース):
• 配当所得が加算され、基準を超える可能性があります。
住民税均等割非課税基準
• 夫婦世帯の場合:
• 基準所得:28万円 + 10万円 × 2人(世帯人数)=48万円
3. シミュレーション
条件
• 配当収入:例えば年間40万円(課税対象)。
• 年金収入(繰上げ受給後):夫137万円、妻137万円。
(1)配当所得を申告しない場合
• 配当所得は課税所得に含まれず、シミュレーション結果は先述の通りです。
• 住民税非課税世帯の条件を満たします。
(2)配当所得を総合課税で申告する場合
• 配当所得(40万円)を総合課税に含めると、以下のように計算されます:
夫の所得
• 年金収入137万円 → 公的年金控除70万円 → 所得67万円
• 配当所得40万円を加算 → 67万円 + 40万円 = 107万円
• 基礎控除48万円を差し引く → 107万円 – 48万円 = 59万円
妻の所得
• 年金収入137万円 → 公的年金控除70万円 → 所得67万円
• 配当所得40万円を加算 → 67万円 + 40万円 = 107万円
• 基礎控除48万円を差し引く → 107万円 – 48万円 = 59万円
夫婦の合計所得
• 59万円(夫) + 59万円(妻) = 118万円
住民税非課税基準との比較
• 夫婦世帯の均等割非課税基準:48万円
• 118万円 > 48万円 → 住民税非課税世帯には該当しません。
4. 注意点とアドバイス
• **配当所得を申告しない(申告不要制度を利用)**場合は、住民税非課税世帯を維持できます。
• 総合課税を選択する場合、配当所得が課税所得に含まれるため、非課税基準を超えて住民税が発生する可能性があります。
• 配当収入が少額であれば、総合課税でも非課税基準内に収まる可能性があるため、配当額次第で判断が変わります。
4. 注意点とアドバイス
• **配当所得を申告しない(申告不要制度を利用)**場合は、住民税非課税世帯を維持できます。
• 総合課税を選択する場合、配当所得が課税所得に含まれるため、非課税基準を超えて住民税が発生する可能性があります。
• 配当収入が少額であれば、総合課税でも非課税基準内に収まる可能性があるため、配当額次第で判断が変わります。
住民税非課税世帯とは?
住民税非課税世帯とは、住民税(市町村民税・都道府県民税)が課税されない世帯のことです。住民税は所得に応じて課税されるため、一定の要件を満たすと非課税となります。住民税非課税世帯になると、税金や社会保障制度での優遇を受けられることがあり、生活支援を受けるための基準ともなるため、重要な制度です。
1. 住民税が非課税となる条件
住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税を課税されない状態を指します。非課税となる要件は以下の通りです。
(1) 所得要件
次のいずれかに該当する場合、住民税が非課税となります。
1. 所得割が非課税
• 所得が、住民税の所得割課税基準額(課税標準額)以下である場合。
(例:2024年度基準で35万円 × 扶養人数 + 42万円が基準額)
2. 均等割が非課税
• 次のいずれかの条件を満たす場合、均等割も非課税となります:
• 生活保護を受給している場合。
• 合計所得が市町村が定める非課税限度額以下である場合。
(2) 非課税限度額の計算
住民税非課税限度額は以下の計算式で算出されます:
• 単身者(扶養なし):合計所得が43万円以下。
(例:基礎控除42万円+住民税の均等割課税額の最低基準)
• 扶養親族がいる場合:
• 非課税限度額=35万円 ×(扶養人数 + 1) + 10万円
(3) 特例措置
特定のケースでは、条件が緩和されることがあります。
• 高齢者(65歳以上):年金収入が公的年金控除を差し引いた後、住民税非課税基準内であれば、非課税対象になります。
2. 主な対象となる世帯
• 無収入または低所得世帯
• 高齢者世帯(公的年金のみで生活している場合)
• 生活保護を受給している世帯
• 一部障害者手帳保持者など
3. 住民税非課税世帯のメリット
住民税が非課税となることで、以下のような経済的な支援や優遇が受けられます。
(1) 国民健康保険料の軽減
• 国民健康保険料は所得に応じて計算されるため、住民税非課税世帯では大幅に減額されることがあります。
(2) 医療費負担の軽減
• 高額療養費制度の自己負担額が低くなり、医療費負担が軽減されます。
(3) 各種行政サービスの優遇
• 子育て支援(保育料の減免)
• 公営住宅の入居優先や家賃減額
(4) 給付金や特別支援金
• コロナ禍や物価高騰時には、住民税非課税世帯を対象とした給付金(例:特別定額給付金など)が支給される場合があります。
(5) 学費の軽減
• 非課税世帯の子どもが進学する際、授業料免除や奨学金の優遇が受けられることがあります。
(6) 公共料金の割引
• NHK受信料の減免など。
3. 住民税非課税世帯のメリット
住民税が非課税となることで、以下のような経済的な支援や優遇が受けられます。
(1) 国民健康保険料の軽減
• 国民健康保険料は所得に応じて計算されるため、住民税非課税世帯では大幅に減額されることがあります。
(2) 医療費負担の軽減
• 高額療養費制度の自己負担額が低くなり、医療費負担が軽減されます。
(3) 各種行政サービスの優遇
• 子育て支援(保育料の減免)
• 公営住宅の入居優先や家賃減額
(4) 給付金や特別支援金
• コロナ禍や物価高騰時には、住民税非課税世帯を対象とした給付金(例:特別定額給付金など)が支給される場合があります。
(5) 学費の軽減
• 非課税世帯の子どもが進学する際、授業料免除や奨学金の優遇が受けられることがあります。
(6) 公共料金の割引
• NHK受信料の減免など。
5. 具体的な非課税基準例(2024年度基準)
以下は、住民税が非課税になる年収の目安です(年金収入のみの場合を想定)。
家族構成 年収の目安
単身(65歳未満) 100万円以下
単身(65歳以上) 158万円以下
配偶者あり・扶養なし 156万円以下
配偶者あり・扶養1人 211万円以下
6. 住民税非課税世帯の確認方法
• 毎年6月ごろに届く住民税決定通知書で確認できます。
• 不明な場合は、お住まいの市区町村役場の税務課に問い合わせると詳細を確認できます。
まとめ
住民税非課税世帯は、収入が低い場合に該当し、税金や社会保険料、生活支援で多くの優遇を受けられます。ただし、家族全体の収入や控除対象を正確に把握し、必要に応じて市町村役場で手続きを行うことが重要です。
障害年金とは?
1.障害年金とは?
(1) 対象者
• 病気やけがで、国が定める障害認定基準に該当する障害状態となった場合に支給される年金。
• 主に働けなくなったり日常生活に支障をきたした場合を対象とします。
(2) 障害年金の種類
1. 障害基礎年金(国民年金加入者が対象)
• 対象:**第1号被保険者(自営業、学生など)**または、第2号・第3号被保険者(会社員や主婦)で障害が認定された場合。
• 支給額:定額制(1級:約97万円/年、2級:約78万円/年、2024年度基準)+子の加算。
2. 障害厚生年金(厚生年金加入者が対象)
• 対象:会社員や公務員など、厚生年金加入期間中に障害を負った場合。
• 支給額:報酬比例(加入期間中の収入に応じて支給額が変動)。
• 3級の障害も対象で、最低保障額あり。
2. 受給要件
障害年金を受け取るには、以下の要件を満たす必要があります。
(1) 初診日要件
• 障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診察を受けた日が、年金加入期間中であること。
(2) 保険料納付要件
• 初診日の前日時点で、次のいずれかを満たしていること:
• 加入期間の3分の2以上の保険料を納付済み。
• 初診日が2026年4月1日以前の場合、直近1年間に保険料の未納がないこと。
(3) 障害状態要件
• 初診日から1年6か月後の「障害認定日」において、一定以上の障害状態と認定されること。
2. 受給要件
障害年金を受け取るには、以下の要件を満たす必要があります。
(1) 初診日要件
• 障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診察を受けた日が、年金加入期間中であること。
(2) 保険料納付要件
• 初診日の前日時点で、次のいずれかを満たしていること:
• 加入期間の3分の2以上の保険料を納付済み。
• 初診日が2026年4月1日以前の場合、直近1年間に保険料の未納がないこと。
(3) 障害状態要件
• 初診日から1年6か月後の「障害認定日」において、一定以上の障害状態と認定されること。
4. 支給額の目安
(1) 障害基礎年金(2024年度基準)
• 1級:約97万円/年 + 子の加算
• 2級:約78万円/年 + 子の加算
• 子の加算額:
• 第1子・第2子:各22万4900円/年
• 第3子以降:各7万5000円/年
(2) 障害厚生年金
• 報酬比例(例:年収500万円、加入20年の場合で約120万円/年)
• 3級の場合:最低保障額約58万円/年
5. 手続き
(1) 提出先
• 初診日が国民年金期間中の場合:市区町村役場
• 初診日が厚生年金期間中の場合:年金事務所
(2) 必要書類
• 年金請求書
• 初診日の証明書(受診状況証明書)
• 診断書(医師が作成、指定書式)
• 本人確認書類、振込先口座情報
(3) 障害状態確認届
• 支給開始後も定期的に提出する必要があります(症状により異なる)。
6. 注意点
• 障害年金の認定基準は厳しいため、申請時には詳細な証明書類が必要です。
• 繰上げ受給をすると、老齢基礎年金に移行して障害基礎年金を受給できなくなるリスクがあるため、健康状態や収入計画を慎重に検討してください。
• 手続きが複雑な場合は、年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめします。
公的年金等控除について
公的年金等控除とは?
公的年金等控除とは、年金収入から一定額を控除できる制度のことです。年金は所得として扱われますが、この控除によって、年金から得られる所得に対する税負担を軽減することができます。
なぜ公的年金等控除があるの?
年金は、老後の生活を支える重要な収入源です。しかし、年金収入が増えるにつれて、税金も増えてしまうと、生活が圧迫されてしまう可能性があります。そこで、年金受給者が安心して生活できるように、公的年金等控除が設けられています。
控除の仕組み
公的年金等控除の額は、年金の種類、金額、年齢、そして他の所得の有無などによって異なります。一般的に、年金の種類や金額が多ければ多いほど、控除額も大きくなります。
控除を受けるためには
公的年金等控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。確定申告の際には、公的年金に関する書類や、他の所得に関する書類などを提出します。
控除のメリット
- 税負担の軽減: 年金所得に対する税負担を軽減することができます。
- 老後の生活の安定: 税負担が軽減されることで、老後の生活を安定させることができます。
注意点 - 確定申告が必要: 公的年金等控除を受けるためには、確定申告を行う必要があります。
- 控除額は毎年変わる可能性がある: 税制改正などにより、控除額が変更になる場合があります。
- 他の所得との関係: 他の所得が多い場合、控除額が制限される場合があります。
まとめ
公的年金等控除は、年金受給者にとって非常に重要な制度です。確定申告を行うことで、税負担を軽減し、老後の生活を安定させることができます。もし、公的年金等控除について詳しく知りたい場合は、税理士や税務署に相談することをおすすめします。
在職老齢年金制度とは
在職老齢年金制度は、公的年金(主に厚生年金)を受給しながら働く場合に適用される仕組みで、一定の条件を満たすと年金の一部または全部が支給停止となる制度です。この制度の目的は、働きながら年金を受け取る人と現役世代の公平性を確保することです。
1. 在職老齢年金制度の概要
在職老齢年金制度は、収入が一定以上ある人を対象として、給料や年金の合計額に応じて年金が調整される仕組みです。
対象者
• 厚生年金に加入中の65歳未満(60~64歳):報酬と年金の合計額に応じて支給額が調整される。
• 65歳以上で厚生年金に加入中の人:同様に調整が行われるが、計算方法が異なる。
2. 制度の仕組み
(1) 60~64歳の在職老齢年金
• 基準額:月28万円(2025年時点)
→ これを超える場合、超えた分に応じて年金の一部が減額されます。
• 計算方法:
1. **給料(標準報酬月額)+年金(月額換算)**が28万円以下 → 年金の減額なし。
2. 給料+年金が28万円を超える → 超過額の1/2が年金から差し引かれる。
例:
• 給料(月額換算):20万円
• 年金(月額換算):12万円
→ 20万円+12万円=32万円
→ 超過分(32万円-28万円=4万円)の半分(4万円×1/2=2万円)が減額される。
受け取れる年金額は10万円(12万円-2万円)。
(2) 65歳以上の在職老齢年金
• 基準額:月47万円(2025年時点)
→ 給料+年金がこれを超える場合、超過分に応じて年金が減額されます。
• 計算方法:
1. **給料(標準報酬月額)+年金(月額換算)**が47万円以下 → 年金の減額なし。
2. 給料+年金が47万円を超える → 超過額の1/2が年金から差し引かれる。
例:
• 給料(月額換算):30万円
• 年金(月額換算):20万円
→ 30万円+20万円=50万円
→ 超過分(50万円-47万円=3万円)の半分(3万円×1/2=1.5万円)が減額される。
受け取れる年金額は18.5万円(20万円-1.5万円)。
3. 制度の特徴
メリット
1. 働きながら収入を得られる
• 年金と給料を組み合わせることで、総収入は現役時代に近い水準を維持できる。
2. 年金の再計算
• 働きながら保険料を支払うことで、70歳到達時や退職時に年金額が再計算され、増額される可能性がある。
デメリット
1. 年金の一部が減額される
• 一定額以上の収入がある場合、年金の受給額が減少する。
2. 手続きが必要
• 毎年の収入状況に基づいて調整されるため、給与や年金の情報を報告する必要がある。
4. 制度の注意点とポイント
1. 退職後の影響
• 在職中に減額された年金は、退職後にまとめて支給されるわけではありません。そのため、早期に年金を満額受け取ることはできません。
2. 総収入の把握が重要
• 年金と給料の合計額を正確に計算し、自分の生活設計にどの程度影響するかを確認することが大切です。
3. 特例的な変更に注意
• 将来的に在職老齢年金制度が改正される可能性があります。最新情報を年金事務所や社会保険労務士に確認することが推奨されます。
5. 在職老齢年金と繰上げ受給の関係
• 繰上げ受給を選択した場合:
• 繰上げ受給で減額された年金にも、在職老齢年金の計算が適用されます。そのため、働きながら繰上げ年金を受給する場合は、さらに年金が減額される可能性があります。
• 繰上げ受給は一生減額された金額が続くため、在職老齢年金による減額との複合的な影響を考慮する必要があります。
6. まとめ
在職老齢年金制度は、働きながら年金を受け取る場合の収入調整制度で、総収入の増加を目指せる一方で、収入が多いと年金が減額される仕組みです。自身の働き方や収入見通しに合わせて、以下を検討することが重要です:
• 年金の減額を最小限に抑えるための働き方。
• 減額される分を見越したライフプランの設計。
• 必要に応じて専門家(年金相談員やFP)に相談する。
国民健康計算式
年金の手続き方法 (どこで手続きするの?)
1. 主な手続き窓口
(1) 日本年金機構(年金事務所)
• 全国各地にある年金事務所で手続きができます。
• 主な手続き内容:
• 年金の請求(老齢基礎年金、老齢厚生年金など)
• 繰上げ・繰下げ受給の申請
• 振込口座の変更
• 年金額改定や再計算の申請
• 必要書類や手続きの詳細についても相談可能です。
(2) 市区町村役場(国民年金関連)
• 国民年金に関する手続き(主に第1号被保険者)は、市区町村役場の国民年金窓口で行います。
• 主な手続き内容:
• 国民年金加入の手続き
• 保険料の免除申請
• 障害基礎年金の請求
2. 手続きに必要な書類
• 年金請求手続きに一般的に必要な書類:
• 年金請求書(対象年齢になると日本年金機構から郵送されます)
• 本人確認書類(運転免許証、マイナンバーカードなど)
• 振込先口座の通帳またはキャッシュカード
• 基礎年金番号がわかるもの(年金手帳や通知書)
• 必要に応じて、戸籍謄本、住民票、収入証明書など
3. 受付時間
• 年金事務所の窓口:
• 平日:8時30分~17時15分(※一部の窓口では事前予約で土曜受付あり)
• 市区町村役場の窓口:
• 平日:通常8時30分~17時00分
4. オンラインでの手続き
• 日本年金機構の「ねんきんネット」を利用すれば、一部の手続きをオンラインで行うことができます。
• 内容確認、年金見込額試算、住所変更などが可能。
• 利用には登録が必要です。
5. 年金相談センター
• 全国にある「年金相談センター」でも、年金に関する相談や手続きが可能です。
• 日本年金機構の年金事務所と連携しており、利用しやすい場合があります。
6. 手続きが不安な場合
• 年金事務所や市区町村窓口で直接相談するのがおすすめです。
• 必要に応じて事前予約をすると、待ち時間が短縮できます。
• 日本年金機構のコールセンター(0570-05-1165)でも案内が受けられます。
総合的なまとめ
年金の繰上げ受給は、早期に年金を受け取れる一方で、生涯にわたる年金額が減額されるというメリットとデメリットを伴う選択です。これを総合的に考えると、以下のようなポイントが浮かび上がります。
1. メリットとデメリットのバランス
• メリットとしては、無収入期間の生活費を早めに確保できる点や、心理的な安心感、老後の計画を早期に立てやすい点が挙げられます。特に貯蓄が少ない人や短期的な生活費の補填が必要な場合には有用です。
• 一方で、デメリットとしては、受給額が永久に減額されること、障害基礎年金の受給資格を失うこと、長寿リスクを考慮すると総受給額が減少する可能性があることが大きな課題です。
2. 個々の状況に応じた判断が重要
繰上げ受給は一律の正解があるわけではなく、個々のライフスタイルや経済状況に応じた選択が必要です。例えば:
• 健康状態が良く、長生きする可能性が高い人は、繰上げ受給を選ばずに65歳以降の満額支給を待った方が有利です。
• 一方、健康上の不安がある人や、60代前半で生活資金が不足する人は、繰上げ受給による早期の資金確保が合理的な選択肢になります。
3. 長寿リスクの重要性
平均寿命を超えて長生きする場合、繰上げ受給を選択すると、65歳から受給を開始する場合よりも総受給額が少なくなる可能性があります。このため、「どれくらい生きるか」という予測の難しさが大きな要因となります。
4. 障害基礎年金との絡み
繰上げ受給を選択すると障害基礎年金が受給できなくなるため、特に健康面で不安がある人は、この点を慎重に考慮する必要があります。繰上げの選択肢が障害年金の受給資格を放棄することになるため、健康リスクと経済的リスクの両方を見据えることが重要です。
5. 繰上げ受給の取り消し不可
一度繰上げ受給を開始すると取り消しや変更はできません。そのため、判断を下す前に長期的な視点でシミュレーションを行い、慎重に考える必要があります。
6. 感想・総合的な考え方
年金の繰上げ受給は、「短期的な生活費の安定」と「長期的な収入減少」の間でのトレードオフを伴う決断です。メリットを最大化しつつデメリットを最小限に抑えるためには、以下の点が鍵になります:
• 慎重なライフプランの設計:健康状態、貯蓄、家族構成、収入状況などを総合的に考慮。
• 社会保障制度や税制の理解:住民税非課税世帯の要件や国民健康保険料への影響も含めたシミュレーション。
• 第三者の意見を活用:年金事務所やファイナンシャルプランナーに相談し、客観的なアドバイスを受ける。
繰上げ受給は、老後の生活設計において重要な選択肢の一つですが、慎重に検討することが最善の結果につながります。特に長寿リスクを考慮しながら、自身や家族にとって最適なバランスを見つけることが重要です。
【社会的・経済的な要因】
年金の繰上げ受給を考える際には、個人の状況だけでなく、社会的・経済的な要因も考慮する必要があります。特に、マクロ経済スライドの影響、インフレ、年金制度の将来性、損益分岐点といった要素は、長期的な判断において重要なポイントです。これらを踏まえた総合的なまとめを以下に示します。
1. 繰上げ受給の背景にある社会的・経済的要因
(1) マクロ経済スライドの影響
• 日本の年金制度には、物価や賃金の伸びに応じて年金額を調整する「マクロ経済スライド」が導入されています。これは、少子高齢化に対応するために年金支給額を抑える仕組みで、将来的には年金額が実質的に減少する可能性があります。
• 繰上げ受給を選ぶことで、現行の支給額ベースで受け取れる期間が増えるため、将来的な年金減額リスクを回避できる側面があります。
(2) インフレの懸念
• インフレが進行すると、将来的に年金の実質的な購買力が低下する可能性があります。
• 繰上げ受給を選べば、早い段階で年金を受け取り、その資金をインフレに対応するための資産運用や消費に回すことができます。ただし、インフレの影響が強まると、減額された年金では生活費を賄いきれないリスクもあります。
(3) 年金制度の将来性
• 少子高齢化が進む日本では、年金制度の改悪(支給開始年齢の引き上げ、支給額のさらなる減額)が懸念されています。
• 将来の制度変更が不安な場合、繰上げ受給を選択して早期に年金を受け取ることで、制度改悪のリスクを回避する考え方があります。
2. 損益分岐点の考慮
(1) 繰上げ受給と減額率
• 繰上げ受給では、1か月ごとに年金額が0.4%減額され、最大で24%の減額となります(60歳で開始した場合)。
• この減額率を補うためには、通常の受給開始(65歳)以降、一定期間生き続ける必要があります。
(2) 損益分岐点の目安
• 損益分岐点は、繰上げ受給を選んだ場合の総受給額が、通常受給を選んだ場合の総受給額と同等になる年齢を指します。
• 一般的な目安としては、77歳~80歳が損益分岐点とされています。
• 長生きする場合は通常受給が有利となり、短命である場合は繰上げ受給が有利です。
• 自身の健康状態や家族の寿命の傾向などを考慮して、この損益分岐点を重要な判断材料にすることが求められます。
3. 繰上げ受給のメリットとデメリット(社会的要因を含む)
メリット
1. 将来の制度変更リスクを回避
• 年金制度の改悪や減額の可能性を懸念する場合、早期に受給することでリスクヘッジとなる。
2. インフレへの対応
• 繰上げた年金を早期に受け取り、現役世代の水準で資産運用や消費に活用できる。
3. 心理的な安心感
• 早期に一定の収入が確保できるため、貯蓄を取り崩す不安が軽減される。
デメリット
1. 減額が一生続く
• 繰上げにより減額された年金額が一生続き、特に長生きした場合の総受給額が減る。
2. インフレに弱い
• 減額された年金は、物価が上昇した際の購買力低下に耐えられない可能性がある。
3. 損益分岐点の影響
• 80歳以上生きる場合、通常受給を選んだ方が結果的に有利になる。
4. 総合的な感想と判断ポイント
繰上げ受給の選択は、個人の状況(健康状態、資産状況、収入見通し)と、社会的・経済的なリスク(年金制度の変化、インフレ、長寿リスク)を総合的に判断する必要があります。以下のポイントが判断基準になります:
1. 健康状態と寿命の見通し
• 短命の可能性が高い場合や、60代前半での資金需要がある場合は、繰上げ受給が有利。
• 長寿リスクが高い場合は、通常受給または繰下げ受給も検討。
2. 現役時代の資産と生活水準
• 十分な貯蓄がある場合、減額リスクを避けるために65歳まで待つ方が安心。
• 資金不足で生活が不安定な場合は、早期受給が心理的な安定をもたらす。
3. 社会的リスクの許容度
• 年金制度の不確実性やインフレのリスクを重視するなら、早期受給が有効。
• リスク許容度が高く、長期的な生活設計に自信があるなら、通常受給を選択。
4. 税制や社会保険料の影響
• 繰上げ受給による所得減少で、住民税や国民健康保険料の負担が軽減される場合がある。
結論
年金の繰上げ受給は、短期的な安心感を得られる一方で、長期的な減額のリスクを伴います。損益分岐点やマクロ経済的な要因(インフレ、年金制度の変化)を考慮し、自分のライフプランに合った選択をすることが重要です。また、判断に迷う場合は、年金事務所やファイナンシャルプランナーに相談し、より具体的なシミュレーションを行うことをお勧めします。
新NISAを利用した資産運用の場合 (試算)
年金の繰上げ受給で早期に資金を確保し、新NISA(2024年からの制度)を利用して資産運用を行う戦略について考察します。この戦略は、短期的な収入の確保と長期的な資産形成を組み合わせた方法であり、以下の視点から評価できます。
1. 新NISAを利用した資産運用のメリット
(1) 新NISAの特徴
• 新NISAでは、積立枠と成長投資枠が統合され、最大1,800万円の非課税枠が利用可能です。
• 非課税期間は無期限であり、運用益や配当がすべて非課税となるため、資産運用の効率が非常に高くなります。
(2) 繰上げ受給との相性
• 繰上げ受給で早期に得た年金を、新NISAを通じて資産運用に回せば、減額された年金の分を運用益で補填できる可能性があります。
• 長期的な運用を視野に入れると、複利効果を最大限に活用できるため、資産を効率的に増やせます。
(3) インフレ対策
• 新NISAを活用してインフレに強い資産(例:株式、インフラ関連ETF、グローバル債券など)に投資することで、将来の購買力低下リスクを軽減できます。
2. 考えられるリスクと課題
(1) 資産運用のリスク
• 繰上げ受給で確保した資金を投資に回す場合、投資リスクを負う必要があります。特に、株式市場の変動によって元本割れする可能性もあります。
• 投資対象の分散やリスク管理(例:安定的なインデックス投資を中心に据える)が重要です。
(2) 資金不足の可能性
• 繰上げ受給による年金の減額が恒久的に続くため、投資が期待したリターンを得られなかった場合、老後資金が不足するリスクがあります。
(3) 運用に必要な知識と時間
• 資産運用には、一定の金融リテラシーと運用プランの見直しが求められます。これが負担になる場合もあるため、専門家のサポートを得るか、シンプルな運用を目指すことが大切です。
3. シミュレーション例:運用益で年金減額分を補填するケース
(1) 年金減額額
• 繰上げ受給で年金額が24%減額された場合、例えば年金受給額が月額16万円(年192万円)の場合、月3.84万円(年46万円)の減額となります。
(2) 運用益の必要額
• 年46万円の不足を補うためには、例えば3%の運用利回りを目標とする場合、1,533万円の元本が必要です。
(3) 新NISAの活用
• 繰上げ受給の資金やその他の資産を新NISAで運用し、非課税のメリットを最大限活用すれば、運用益を効率的に得られます。
• 投資対象は、インデックス型の株式ETFや配当利回りの高い株式を中心に選ぶと安定的な収入が期待できます。
4. この戦略を取るべき人の特徴
向いている人
1. 投資に前向きでリスク許容度がある人
• 投資経験がある、または学ぶ意欲がある人。
2. 健康状態が良く、資産運用の成果を長く享受できる可能性がある人
• 長寿リスクをある程度受け入れながら、資産運用の恩恵を受けたい人。
3. 初期資金を一定程度持っている人
• 繰上げ受給の資金を運用に回せる余裕がある人。
避けた方がよい人
1. 投資のリスクに耐えられない人
• 元本割れのリスクが生活に大きな影響を与える場合。
2. 健康状態が不安定な人
• 長期運用のメリットを享受する前に資金が必要になるリスクがある。
3. 年金以外の収入が十分な人
• 繰上げ受給を選ばず、満額受給を待つ方が安定的。
5. 総合的な考察
年金の繰上げ受給で早期に資金を確保し、新NISAを利用して資産運用を行う戦略は、**「積極的なリスクテイク型の老後設計」**に該当します。以下のようなポイントを踏まえ、慎重に判断することが重要です:
1. 年金減額分を運用益で補填できる計画性
• 投資計画をしっかり立て、目標利回りを現実的に設定すること。
2. 非課税枠の最大活用
• 新NISAの非課税制度は、老後資金形成において非常に有効なツールです。長期分散投資を心掛けることで、リスクを抑えながら資産を増やせます。
3. リスクとリターンのバランス
• 高リスク高リターンを狙いすぎず、インフレ対策も含めたポートフォリオの構築が重要です。
4. ライフプランの柔軟性
• 資産運用に頼りすぎず、無理のない生活設計を心掛けることが安心につながります。
この戦略は、投資が成功した場合には年金減額分以上のリターンを得られる可能性がありますが、リスクが伴うことも忘れてはいけません。特に、運用益が得られない場合のリスクヘッジとして、他の収入源や資産(預貯金や保険など)とのバランスを考えた計画を立てることが成功の鍵となります。
投資はあくまでも自己責任において慎重に検討が必要です。
社会保険料について
退職後の健康保険の比較
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株を始めましょう (新NISAで益々有利に)
インフレ対策をしましょう。
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本当の自由を手に入れる お金の大学 (改訂版) 両@リベ大学長
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