【ポタジェ日誌】10年実らないサルナシと、移植1年で実をつけた自生コクワ

スローライフ

我が家のポタジェの片隅、山ぶどうと同じフェンス沿いに、10年以上前から植わっているつる性の株があります。

葉は毎年これでもかというほど青々と茂るのに、実がついたことは一度もありません。しかも植えた本人(私です)が品種を忘れているという体たらく。「たぶんサルナシ系だったはず……」という記憶だけを頼りに、ずっと放置してきた株でした。

そして今年、その株から数メートル離れた場所で、小さな緑の実が実っていました。ただし実をつけたのは、10年もののあの大株ではありません。昨年いただいて移植した、北海道自生のコクワのほうです。

Googleレンズに聞いてみたら、あっさり答えが出た

まずは正体をはっきりさせようと、スマホのGoogleレンズで葉を撮ってみました。返ってきた答えはこうです。

マタタビ属のサルナシ(別名:コクワ、ベビーキウイ)Hardy kiwi・kiwi berry

決め手は葉柄(葉の付け根の茎の部分)でした。厚みと光沢のある葉に加えて、葉柄が鮮やかな赤〜赤紫色をしているのがサルナシの典型的な特徴だそうです。改めて写真を見返すと、たしかに軸が見事に赤い。言われてみればその通りで、10年間気づかなかった自分に苦笑いです。

それにしても、写真を撮るだけで品種を判別してくれて、実がつかない原因の候補まで並べてくれる時代になったのですね。庭仕事の相棒としては、なかなか頼りになります。

サルナシ(コクワ)とはどんな果樹か

北海道の山でおなじみの、あのコクワです。秋の山歩きでつるからぶら下がっているのを見つけると、ちょっとうれしくなるあの実。

項目内容
分類マタタビ科マタタビ属のつる性落葉樹
別名コクワ、ベビーキウイ
実の特徴3cmほどの緑色の実。皮ごと食べられる
収穫期おおむね9〜10月
性質雌雄異株(オス株・メス株が分かれている)
耐寒性非常に強く、北海道の露地でも越冬する

キウイフルーツの仲間ですが、あの毛がなく、皮ごとかじれるのが魅力です。完熟すると驚くほど甘くなります。

そして今回の話のカギになるのが、最後から2番目の雌雄異株という性質です。

なぜ10年間、実がつかなかったのか

調べていくと、原因の候補は大きく3つに整理できました。

① そもそも花が咲いていない(剪定の過不足)

サルナシは、前年に伸びた枝の芽から、その春に新しく伸びる短い枝(結果枝)に花を咲かせます。

つまり、毎年つるを根元近くまでバッサリ切り戻していると、花芽ごと落としてしまうことになります。逆に、まったく剪定せずに伸ばし放題にしていると、栄養が「つるを伸ばすこと」にばかり使われて、花を咲かせるモードに切り替わってくれません。

我が家は完全に後者。フェンスに絡ませたまま10年ほぼ放任でしたから、これは思い当たる節しかありません。

② メス株が枯れて、オス株だけが残っている

ホームセンターで売られている「オス・メスセット」の苗は、1つの鉢に2本が寄り添うように植えられていることがよくあります。育てるうちに片方が競り負けて枯れ、残ったのがオス株だけ——というパターン。

この場合、つるは元気に伸びて花も咲くのに、実だけは永遠につきません。

③ 日照不足と「つるボケ」

日光が足りないと花芽が形成されにくくなります。また窒素分の多い肥料を与えすぎると、葉とつるばかりが茂る「つるボケ」の状態になります。

我が家の株は物置の壁面フェンスに沿っていて、しかも山ぶどうと場所を分け合っています。日照条件は、正直あまり褒められたものではありません。

昨年、北海道自生のコクワを迎えた

そんな状況の中、昨年ちょっとした転機がありました。

近隣の方から北海道に自生する野生のコクワの株をいただき、元の大株から数メートルの場所に移植したのです。深い考えがあったわけではなく、「せっかくいただいたのだから、仲間の近くに植えておこう」という程度の気持ちでした。

野生のコクワはこの土地の気候に完全に適応していますから、活着も早く、1年ですっかり根づいてくれました。

実をつけたのは、移植した自生コクワのほうだった

今年の8月、フェンス沿いを見回っていて気づきました。

移植した自生コクワの枝先に、ふっくらとした小さな緑の実がいくつか。たしかに、あのコクワの実の形です。移植からわずか1年で、もう実をつけてくれました。さすが野生種、この土地への順応力が違います。

いっぽう、10年ものの大株のほうは今年も枝と葉だけ。実はひとつもありません。この時点で、AIが描いてくれた「10年目にしてついに受粉成立」という感動的な筋書きは、残念ながら当てはまらないことになります。

すぐ隣では山ぶどうが青い房を垂らしていて、この一角だけ急に果樹園らしくなってきたのですが、主役は移植1年目の新入りでした。

実がつかない大株について、考えられる2つの筋書き

雌雄異株のコクワで「片方だけが実をつけた」という事実からは、次のように考えられます。

  • A:元の大株がオス株で、その花粉が移植した自生コクワ(メス株)に届いた
    → 今年の結実は、この2株の組み合わせが機能した証拠になります。ただしオス株である以上、大株そのものは今後も実をつけません。役割は「受粉樹」です。
  • B:大株の性別は不明のままで、自生コクワは近隣の野生株や他の花粉源から受粉した
    → この場合、大株が実らない原因は剪定・日照側にある可能性が残ります。

どちらであっても、ポタジェとしては「実がなる場所ができた」という点で前進です。ただ、大株の性別が確定しないと、次の一手が決まりません。 ここは来年の宿題として持ち越します。

10年放置してきた庭主が言うのもなんですが、こういう答え合わせは自分の目でやったほうが楽しい。

これからの管理

今年の秋(9〜10月):まずは初収穫

移植株の実が熟すのを待ちます。サルナシは触ってやわらかくなったころが食べごろ。硬いうちに採ってしまうと酸っぱいので、我慢が大事だそうです。数はわずかですが、我が家のポタジェで初めてのコクワですから、味わって食べたいと思います。

冬(12〜2月):剪定と誘引

落葉した休眠期に、放任していたつるを整理します。ポイントは3つ。

  • 長く伸びすぎたつるは、先端から1/3〜半分ほどを切り詰める
  • 太めの枝は、根元から数えて5〜10芽ほど残して先を切る(残した芽から春に結果枝が伸びる)
  • 2株のつるがお互いに近づく方向へ、フェンスやパイプに横向きに誘引する

サルナシやキウイの仲間は、芽が動き出す時期に剪定すると切り口から樹液が出やすいので、休眠期のなるべく早い時期に済ませるのが無難です。北海道なら年内〜1月あたりが動きやすいでしょうか。雪との相談ですね。

大株のほうは、これまで一度もまともに剪定していません。今年こそ結果枝を作るつもりで手を入れてみます。それで来春に花が咲けば、放任が原因だったという答えが出ます。

来年の5〜6月:いよいよ答え合わせ

来春の開花期に、両方の株の花を確認します。見るポイントはここです。

観察できたこと読み取れること
大株に花が咲かない原因は剪定か日照。冬の剪定の効果を見て翌年再挑戦
大株にオス花(雄しべのみ)が咲く大株はオス株。受粉樹として残し、収穫はメス株側に期待
大株にメス花(中心に白い柱頭)が咲く大株はメス株。花が落ちるなら受粉、咲かないなら管理の問題

オス花とメス花の見分けは、慣れれば難しくないそうです。10年目にして、ようやくこの株ときちんと向き合うことになりそうです。

まとめ

10年間、葉ばかり茂って実らなかったサルナシ。今年もその状況は変わりませんでした。

代わりに実をつけたのは、昨年いただいて「なんとなく近くに植えた」野生のコクワ。移植1年でさっさと結果を出してくれたあたり、自生種の底力を見せられた気がします。

品種を忘れた株の正体をスマホが教えてくれて、放任していた10年に説明の候補がつき、来年の宿題までできました。答えが出るのは来春ですが、宿題があるというのは、庭仕事にとってはむしろ良いことなのだと思います。

秋の初収穫と、冬の剪定と、来年の花。しばらくこの一角から目が離せません。


※本記事は北の大地十勝にある我が家のポタジェでの個人的な栽培記録です。植物の生育や結実は品種・気候・土壌などの条件によって大きく異なります。品種判定にはAI画像認識を利用しており、内容の正確性を保証するものではありません。栽培方法の判断は、お住まいの地域の条件に合わせてご自身でご検討ください。

tokachi_sky(とかちスカイ)トニー@北の大地十勝 Kita-no-Daichi Tokachi

コメント

タイトルとURLをコピーしました