北の大地・十勝に移住して、最初の冬のことです。
冬が近づき、地元の知人から聞かれました。
「ワイパーも替えた?」
……ワイパー? タイヤではなく?
タイヤ交換は分かっていたけれど……
冬になればタイヤを替える。これは移住前から理解していました。
チェーンを巻かなくても、冬用のスタッドレスタイヤに履き替える。当時はまだスパイクタイヤも走っていた時代です。雪道を走るために、タイヤを替えるのは納得できました。
(タイヤ交換については、こちらの記事もどうぞ →

ところが、ワイパーまで替えるという発想は、まったくありませんでした。
理由を聞いて、やっと納得
「え、ワイパーって替えるものなの?」
正直、最初はピンときませんでした。ワイパーはワイパー。雪が降っても、拭ければ同じだろう、と思っていたのです。
地元の知人に理由を聞いて、やっと納得しました。
当時は、今のようにインターネットで何でも調べられる時代ではありません。聞かなければ分からない。移住したばかりの私にとって、これは冬の暮らしの「初めての発見」でした。
雪の降らない地域の方や、これから北国へ移住を考えている方には、意外な話かもしれません。そこで、私が教わったことに、あらためて調べた内容を加えて、まとめてみます。
冬用ワイパー(スノーワイパー)とは
冬用ワイパーは、「スノーワイパー」「ウインターブレード」「スノーブレード」などと呼ばれます。
積雪や氷点下の環境に対応するため、雪や氷からブレードを守る構造になっていることから、この名前が付いています。
主な特徴は次のとおりです。
- 可動部(フレーム)全体が、防水性のあるゴムのカバーで覆われていて、内部に水や雪が入り込んで凍るのを防ぐ
- 氷点下でも硬くなりにくい、耐寒性に優れた特殊なゴムを使っている
- 夏用よりゴムが厚くてタフで、重い雪や氷を払いのける剛性がある
- ガラスへの接地圧が均一になるので、吹雪や低温でも拭き残しやスジが出にくい
なぜ冬用ワイパーに交換するのか
夏用のワイパーのまま冬を迎えると、次のようなことが起こります。
① フレームが凍って動かなくなる
夏用ワイパーは金属のフレームがむき出しです。その隙間に雪や水が入り込んで凍りつき、関節の部分が固まって動かなくなります。
② ガラスに密着せず、拭き残しだらけになる
フレームが凍ると、ガラスの曲面にぴったり沿わなくなります。真ん中や両端に大きな拭き残しができて、走行中の視界が奪われます。雪道では命にかかわる問題です。
③ ゴムが硬くなって、拭けない・傷みやすい
夏用のゴムは、低温でカチカチに硬くなります。拭き取り性能が大きく落ちるうえ、ブレード自体も傷みやすくなります。
④ ワイパーのモーターに負担がかかる
重い湿り雪や吹雪の中で夏用ワイパーを使うと、ワイパーモーターやリンク機構に無理な力がかかり、故障の原因にもなります。
つまり、「ワイパーも冬仕様に」というのは、タイヤと同じく、冬の安全な視界を確保するための大切な準備だったのです。あのとき知人が聞いてくれた一言の意味が、今ならよく分かります。
主なメーカー
冬用ワイパーは、おもに次のメーカーから出ています。
- PIAA(ピア):撥水性や耐久性に優れた製品や、雪用のゴムだけを交換できるタイプなど、幅広く展開
- ボッシュ(BOSCH):輸入車対応モデルや、高速走行時の浮き上がりを抑えるエアロ形状のタイプなど
- NWB(日本ワイパーブレード):国産車の純正採用が多く、耐久性と信頼性に定評
- マルエヌ(MARUENU):雪用ワイパーの老舗で、耐寒ブレードに定評
- カーメイト(CARMATE)や自動車メーカー純正品:車種専用設計や撥水タイプなど、いろいろな種類がある
冬用ワイパーの選び方
車種と適合サイズを確認する
運転席・助手席・リア用で、長さやフックの形状(Uクリップなど)が違います。メーカーの適合表で、正しい品番を確認しましょう。
ゴムだけ交換できるタイプか
従来の冬用ワイパーは、本体ごと買い替えるのが主流でした。最近は、ゴムだけ交換できる経済的なタイプも増えています。
撥水機能の有無
ゴム表面にシリコンやグラファイト(黒鉛)のコーティングがあるタイプは、氷が付きにくく、雪離れもよくなります。
エアロ形状(スパッツ付き)
高速道路をよく走る方は、走行風によるブレードの浮き上がりを抑えるエアロ形状が向いています。
リアワイパーも忘れずに
リアガラスの雪を払うため、フロントだけでなく、リア専用の冬用ワイパーも合わせて用意するのがおすすめです。
交換と保管のポイント
交換のタイミング
初雪や初凍結の前に、スタッドレスタイヤへの履き替えと同時に交換するのが一般的です。タイヤ交換のついでに、ワイパーも。セットで覚えておくと忘れません。
春には夏用に戻す
冬用のワイパーを夏もそのまま使うと、高温と直射日光で柔らかいゴムが急に傷んでしまいます。春になったら、必ず夏用に戻しましょう。
外した冬用ワイパーの保管
外した冬用ワイパーは、水洗いして乾かしてから、直射日光と高温を避けて、平らな場所で保管すると長持ちします。
まとめ|移住して知った、北国の冬じたく
- 冬は、タイヤだけでなく、ワイパーも冬仕様にする
- 夏用ワイパーは、凍結で動かなくなり、視界が確保できなくなる
- 初雪の前に、タイヤ交換と同時に交換する
- 春には夏用に戻し、冬用は洗って平らに保管する
移住したばかりの頃は、何を準備すればいいのか、聞かないと分からないことばかりでした。雪の降らない地域の方にとっては、「え、ワイパーも?」と驚く話かもしれません。
これから北国へ移住される方、雪国へ旅行や車での遠出を考えている方の、冬じたくの参考になればうれしいです。
北の大地十勝より
tokachi_sky(とかちスカイ)トニー@北の大地十勝 Kita-no-Daichi Tokachi



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